Bプログラム出演者・座談会

 

 

野渕(以下、野) :では、座談会はじめます~。5人はじめてですね、揃うのね。

       

(一同、笑いあう)

 

野: 今回はじめて一緒にクリエイションしているので、稽古をしているときの印象でもいいし、最初に作品の話をする前に、お互いの印象とか、何か喋れたらなと思っていて…。では、先陣きってミカちゃん(藤原)何かありますか?

 

藤原(以下、藤) : (笑)

 

野:  ミカちゃんは全員知ってたの?

 

藤: そうですね、サッちゃん(益田)とハルちゃん(大谷)とは初共演なんですけど舞台は拝見してて、いつか共演できたらと思っていたので今回すごく嬉しいです。でも一緒に踊ってみると印象が違う…。

 

大谷(以下、大) :違う?

 

藤:   ちょっと違う(笑)

大:   へー(笑)

野:   どう違うの?

大:   うんうん、聞きたい!

藤:   あのー、ハルちゃんは稽古中のムードメイカーがすごいなぁと。

大:   えー⁈そんな違うよ!全然違うよ!

 (一同、爆笑)

大:  ムード、メイカーしてないよ!

 (一同声を揃えて): ムード、メイカー!(笑)

大:   してないよう…

藤:   すごい、こう、新たな、はじめてみる空気感だなぁと。

大:  (驚きながら)あぁそう。

藤:  それがすごく可愛いなぁと。もっと寡黙だと思ってたんですけど…

大:   いや、寡黙寡黙!いや、(このメンバーの中だと)サッちゃんとミカちゃんがお喋りなんだなぁって。

 

益田(以下、益): あ、ここ(益田と藤原)は喋る。

 

大:   そうそうそう。

野:   (益田と藤原を指して) ここは同い年なんだよね。

大:  あ、そうなんやぁ。

 

益:  だから、踊ったことはなかったけど会うことも多かったり…

藤:  うん、確かに会うことは多くて帰り道も一緒で色々話しながらおにぎり食べたり…

益:   食べたり、今日もランチしたり

(一同):  へぇ~。

藤:   うーん、サッちゃんはあんまり印象変わらないかな。

益:   あ、そう?まぁ見てくれてるもんね。

藤:   でも強いなって。

益:   ふーん…

 

藤:   なんか稽古でちょろっと、きたさんが言ってたけど「戦士」って言葉がすごく印象に残っていて…

益:   (遮って) あれは、あの時たまたま。この作品のソロのところを「ここサッちゃん楽しそうに踊るところね」って言われて、でも私の「楽しい」のスイッチの入り方が何かと戦ってるみたいに見えたらしくて…。(笑)

藤:   何かと戦ってるんだろうな、彼女はって!

益:   すごく自分では楽しかったんですけど、きたまりさんに「サッちゃんの楽しいって何なん?」って。

(一同、爆笑)

益:   「戦場に戦いにいくみたいに見えたんだけど」って。(笑)

藤:   すごくかっこよかった。戦ってんだな、この子はって。その印象が強いですね。

野:   でも繊細そうなイメージもあるけど。花ちゃん(花本)はどう?

 

花本(以下、花): サッちゃんとは、まだ2回目くらいの稽古で…(笑)

 

野:   あ!そうか!

花:   一回全員揃ったときと今日と。

大:   (驚いて)そうなん?

野:   あ、じゃあチラシの写真撮影のときと今日なのか。

花:  あと1回稽古で揃ったときと…。

大:   マジかぁ…。あー!今日2人一緒に稽古してるの新鮮だなと思った!

藤:   この光景見たことないと思った。

大:   バレエ組がいると思った。

藤:   足がきれい…。

野:   花ちゃんとサッちゃんも今回はじめましてやんね。

花:   軽く会ったことがあるくらい…。

益:   軽く…

花:   話したことはないです…。

野:   そっか、これからやね。(笑)

益:   でも今日、今朝花さんからLINEがきて、にやにやして…(笑)

大:   何それ何それ?

花:   違う用事があって(笑)

野:   何送ったんですか?(笑)

花:   (笑)

益:   “はな”ってLINEがきて、え?誰?ってなって(笑)あ!花さんやって!

花:   すみません…(笑)

藤:    帰り道よく(サッちゃんが)「花さん好きやわぁ」って、「好きやわぁ」って言ってて。

大:   へぇ~

藤:   「話しかけてみなよ~」とか言って、「でも稽古で会わないのか」って言いながら…(笑)

益:   そうなんだよって…

花:   だから、こわいですね、何仕掛けてくるか。(笑)

(一同、びっくりする)

 大:   どういうこと~?

 

花:   いや、この前の即興じゃないけど、

益:   あれ、めっちゃ面白かったんですけど(笑)

花:   (笑)即興どうぞって時にサッちゃんが何しでかすかまだ分かんない。空気が読めない、まだそんなに一緒に自由に踊ってないから。

益:   そんな突拍子もないことしないですよ…。皆、分かんないですよ…、でもたまに皆を見てニヤニヤして。(笑)

野:   あ、なんかハルちゃんがニヤニヤするのは何だっけ、参ったって思うときだっけ?

大:  そうそうそうそう。きたまりさんに「どういうときハルちゃんダンス見てニヤニヤしてんの?」って聞かれて、いやぁ参ったって思うとき、参りましたみたいな感じで…

花:   でもそこは「今舞台人なんだから」っていうのあるじゃん!?「今出てます」って皆雰囲気作るのに、よくオフモードでいれるなぁって。

益:   そうなんですよー!緊張感!

大:   それは野渕さんの話じゃないけど、そこはハルのことなんて誰も見てないだろう!っていう…

野:   うわー。そこ説明すると十数年前にきたさんとクリエイションを始めた頃、私が悶々と悩んでたときに、きたさんが「大丈夫だよ杏ちゃん、そのとき誰もあんたのこと見ないから!」みたいな感じで言われて。あ、そっかと思って。それはメインが別の人にいて私のことは誰も何にも誰一人見ないよっていうことを言ったと思うんだけど…

大:   お客さんの視線の誘導として向こうなんだよっていうその安心感から笑っちゃう。

野:   私もそういうときあって、あ、ここは花ちゃんが魅せるところだから、ぼけっとしとこうって時とかある。

花:   ぼけっとは出来るけど、顔を殺すみたいな、そこまで(大谷のように)にやけては…ある意味主張してるじゃん!すげーなっていう。

 

(一同、笑いあう)

 

大:   いや、ほんまにポーカーフェイス苦手でねぇ。(笑)

野:   でも全然表情なくすときあるでしょ? 

大:   あるねぇ、

野:   うん、なんか“無”っていうかさぁ、ハルちゃんのさ、あるじゃん。

大:   そうそう、きたまりさんにも言われる。顔が変わらないねって。

野:   ほんとに表情筋が静止してるような感じっていうか…そういうときあるよね。

大:   確かに、確かに。(きたまりさんに)「顔の景色が変わらないね」って言われてさ。だけどニヤニヤするときもある。(笑)

益:   オンがにニヤニヤ。(笑)

大:   オンがにやにや?どうなんだろう。(笑)

藤:   あ、私、結構無表情で踊ろうと意識してるところがあって。それで、きたさんとマンツーマンで稽古しているとき“無”ってイメージで踊ってたら、きたさんに「ミカちゃん、ダンス楽しくないの?」って言われて「表情が硬すぎて、それワザとやってるの?」って言われて「ワザとです」って応えたら「それ、いらないから!」って。表情を出して良いんだ!って思って。

大:   今回のKIKIKIってきたさんそうやね。

藤:   すごく新鮮でした。

野:   きたさん、でも普段からそんな表情のことあんまし言わないよね。

花:   うん。口が空いてるか空いてないか。

(一同、爆笑)

花:   空いてたら緊張感抜けるから。(笑)

野:   そうだね、(笑)それくらいだね。(笑)

 

野:   そういうハルちゃん、KIKIKIのクリエイションはどうですか?

大:   えー。

野:   二回目?

大:   うんうんうん、何年か前にアイホールで『結婚』『戯舞』に出演させてもらって、そのときはKIKIKIじゃない人がいっぱいいたけど、今回は2人だけなのでまだこうカンパニーに「おじゃましてまーす」っていう感じがあるんですね。で、それがこう引け腰になっていくと良くないだろうなとは思ってます。逆に「おじゃましてまーす」と私が線引きをしてしまうカンパニー感って何だろうと考えたりするんやけど、でもきっと考えすぎたらあかんのやろなって。

 

(花本、大谷と目を合わせて笑いあう)

 

花:   カンパニー感出てるんですかね?

大:   うーん、あると思う。

益:   カンパニーメンバーっていう意識は(見ていて)常にある。

野:   へー、サッちゃんははじめてのKIKIKIだけどクリエイションはどうですか?

益:   えー、、以前バレエをしていた時は、ずっと同じところに所属していて、同じ先生の元クリエイションが行われていたけど、今はカンパニー的なものに所属していないので、最近は、色んな作品に新しく関わっているところが多くて毎日が結構新しいです…

 

花:   どうですか?きたさんとのやりとりは?一対一が多くないですか?マンツーマン。

益:   誰かが抜けて一対一とかちょこちょこありますけど、すっごく尊敬しすぎて最初は「どうしよう、どうしようかな」ってなったけど、でもやらなきゃ仕方がないからもうやるしかないみたいな。あーあと即興が多いので、そこはちょっと「うーっ」てなりながら、でもマンツーマンやからやるしかないしって思ってやります。最初はどうやろう、どうやろうって思い過ぎてやってたけど、意外とそういうのは周りには見えてないんだなぁって気づいて、(きたさんも)やったことに対して今はどうだったとか、フィードバックを下さるので無駄にやらないようには出来るようになってきたなって。たまに音楽がなってて、これだけの尺(時間)があるから「とりあえず即興して下さいっ、ハイどうぞ」っみたいなときがあるじゃないですか。で、とりあえずやらなきゃいけないっていうそういうときに嫌々っていう風にはまだこの現場ではなってないのは、新しい発見かなぁと。苦手ではあるが、嫌々にはなってないかなぁって。

 

益: (花本を見て)即興は嫌ですか?

花:   (きっぱりと)嫌です。

(一同、笑う)

花:   振りを自分でアレンジするのも嫌です。

(一同、驚く)

花:   嫌ですよ~

大:   完璧に与えられた振りを踊る方が良い?

花:   うん。二楽章、あれはアレンジ?

大:   アレンジ。

花:   しまくってる?

野:   アレンジってどこまでを言うの?ハルちゃんの中でどうなったらアレンジなの?

大:   皆がもっているオーソドックスな手振りが0だとすると、その質感を変えることが、私にとってのアレンジ。更に私は、後半にもう一歩足をつけたりとか、バリエーションをつけたりとか、でもひとつの手の動きを残したりとかする。(動きを)残している以上は、アレンジに入ってるのかなって。野渕さんは、あれは全部渡されたんですか?

野:   そうです。全部順番にやってるだけです。終わりました、次やりますって。第四楽章もそれは変わらずやっていて。ハルちゃんが言うように、歩きながらやるのか、ちょっと硬直するのか、次の音で一緒にいこうとか、それだけで。振りそのもののリズムは崩しているけど、今はまだ…それで何も言われてないので、とりあえずそれで探求し続けるしかないかなぁと。たぶん皆の方が工夫してると思う。(笑)

 

益:   まだ第二楽章を3人で(大谷 益田 野渕)やったことないですよね。

野:   そうだね、でも三人で稽古したときに(きたさんが)「第二楽章流してみるから踊ってみて」って言われたときのサッちゃんの視線が印象的で…。その視線が繊細な感じに思ったねんな。

益:   即興でやったときですか?

野:   そう、サッちゃんがずっと正面を見てて、たぶん自分の出るタイミングを待ってたのかな。

益:   あー、待ってたときですね。

野:   なんかそのときの視線が、あと5人揃ったときの即興で踊ってる感じが、私は全然「戦士」じゃなくって、「すごくか弱い女の子」っていう印象があって。それがすごく残ってるなって。

大:   確かに両面ある感じ。

野:   なんかね、瑞々しい感じがする。

大:   両方ある感じが面白い。

益:   瑞々しいか。

 

 

大:   あ、『TITAN』と『夜の歌』で、ここ違うってことありますか?

花:   自由さが違う。

野:   『TITAN』の人たち皆自由な人だったからな。

藤:   男性の出演者が、相当自由だった。(笑)

花:   振りが自由でしたね。

野:   自分たちで振り作ったりしてたし。

大:   あぁ、そうなんだぁ。

花:  即興が多かったり…。

大:   花ちゃん大変‼︎

花:   うん…。

大:   即興、嫌だもんね。

益:   あれを見てめっちゃ面白かったから、即興嫌いとか絶対思わないです。

花:   うーん、いやぁ追い込まれますよね、あれは。受け身になったら大変なことになる。もうひとつのきたさんの目が見てるけん。

大:   いー怖い怖い。

益:   もうひとつの目?

花:   「待ってるな、あの子」っていう目。

藤:    私は、今回きたさんの振りを踊れるのが嬉しいです。振りを与えてもらったことがなかったので。『TITAN』のときは、即興と(自分で)作ったのと、花本さんにもらったのをMIXさせたり。だから嬉しかったですね。

大:   おぉ、そうかぁ。

藤:   こんな振り与えてくれるんだぁって。振付自体は意外なところもあって、それをどう踊れるかなっていうところかなぁって思う。楽しい。

花:   でもあと第五楽章も残ってますね。どうなってしまうんですかね、私たちは。この女性たちは…。結末はどういう女性たちになってるんでしょうね。

     

(一同、笑いあう)

 

益:   どっちが好きですか?『TITAN』と『夜の歌』

野:   分かんないなぁ。好きとか嫌いとかじゃないなぁ、もう。

益:   確かに、そうですよね。

野:   そんなんで簡単に片付けられない感じがあるかなぁ。

大:   それはそうやね。

藤:   違う種類の大変さがある。共通するとこも、また違うところの大変さも、どっちもズドーンって感じのものを本番までにどう持っていくかなぁっていう感じが、うん。

 

大:   こういう風に外部の人たちが入ってきたときに、カンパニーメンバーとしての責任みたいなものは、パフォーマンスの中で感じることはあるの?

花:   いや、それは考えてない。我が道をいきます。

大:   我が道を!(笑)

花:   私の我が道を。いや、野渕さんはちゃんとある。

野:   でも、私、実際には花ちゃんみたいな人の方が引っ張っていけると思うのよ。単純に。私はカンパニーメンバーだからって意気込んでても、身体が追いついてなかったら何にも皆のことを引っ張れないから。

大:   確かに!(笑)

野:   そういうところで、単純に我が道を行ってもらった方が、突っ切っていてくれる人がいた方がやりやすい。こちらも思う存分出来る。そこでバランスが取れるかな。拮抗出来るというか。だから花ちゃんみたいな人の方が結果引っ張ってくれてる。

益:   ミカちゃんは?『TITAN』のときは入ってなかったわけやんか。で、今回入ったやんか。違う?

藤:   うん、色々考えるけど考えないようにもしてる感じ。稽古場では、やるべきことをやらねばっていう。どんどん落ち込むから。うん、頑張るよ。不束者ですが、どうぞよろしくお願いします。(花本、野渕応じる) うーん、ずっとあるカンパニーだから、そこにポーンと入って、どういう風にやればいいんだろうっていうのはすごく思ってるけど。頑張らねば。(笑)

 

大:    あ、これ聞きたかった。これまだ二作品目じゃないですか。十年かけて交響曲を全部KIKIKIでやろうとしている壮大な計画で。それに対してこの3人(花本 藤原  野渕)はどんな楽しみと不安があるのかとか。どうなん?この企画に対して。

益:   10年ですよ。

(一同、しみじみ)

大:   はじまりから10年たったら2025年?24年?

野:   41歳とかかなぁ。

大:   おー。

藤:   33、34歳。

花:   (ミカちゃんに対して)旬じゃない、旬。私40歳。

藤:   結婚してるかなぁ…。

(一同):  そこ⁉︎笑

藤:   自分がどういう状況になってるだろう…。

野:   メンバーがどうなってるか、ほんとに分かんないからね。

藤:   そうだなぁ、10年。

 

野:   でもまだ2作品目だから、気長にゆきます…。